対数とは「同じ数のかけ算をくりかえす回数」のことです。
2を何回かくりかえしかけ算して8ができる場合に、かけ算をくりかえす回数は3です。
星のあかるさの等級は1等級あがるごとに、明るさは約2.5倍になります。
6等星の光の量を1とすると、5等星は6等星の2.5倍になります。
4等星は6等星の約6.3倍(=2.5×2.5)となります。
そして1等星の光の量は6等星の約100倍(=2.5×2.5×2.5×2.5×2.5)となります。
対数とは決まった数を何回くり返しかけ算して別の数ができる場合に、かけ算をくり返す回数のことです。
非常に大きな数は、指数を使うと便利
対数と裏表の関係にある考え方として指数があります。 たとえば、望遠鏡で観測可能な距離をメートルで表そうとすると \(440000000000000000000000000\)メートルです。 この数を指数であらわすと、 \(4.4×10^{26}\)メートルとなります。 指数を使ってあらわすと \(4.4×10^{26}\)は\(4.4×10\)の26乗と読みます。 4.4に10を26回くり返しかけ算した数という意味です。 この26のように同じ数をくり返しかけ算する回数のことを指数といいます。対数とはかけ算をくり返す回数
対数とはある決まった数を何回かくり返しかけ算して別の数ができる場合にかけ算をくりかえす回数のことです。
たとえば2を何回かくりかえしかけ算して8ができる場合に、かけ算をくりかえす回数は「\(log_{2}3\)」と表現します。 ここで\(log_{○}□\)であらわしている○の数字を底といい、□を真数といいます。対数と指数は何が違うのか?
対数と指数は表裏一体の関係があります。たとえば、下記のような関係です。
$log_{2}8=3↔︎2^3=8$2を3回かけると8になることを表します。
対数と指数はいずれも、「かけ算をくりかえす回数」のことです。
指数の場合では、かけ算をくりかえす数(底)とくりかえす回数(指数)があらかじめわかっています。
一方、対数ではかけ算をくりかえす数(底)とかけ算をくりかえしてできた数(真数)がわかっていて、かけ算をくりかえす回数(対数)についてはわかっていません。
対数と指数の関係の具体例
・2を6回かけると64になる例
$\hspace{10pt}log_{2}64↔︎2^6=64$・10を3回かけると1000になる例
$\hspace{10pt}log_{10}1000=3↔︎10^3=1000$・3を5回かけると243になる例
$\hspace{10pt}log_{3}243=5↔︎3^5=243$指数法則①
累乗のかけ算は指数を足し算します。
指数法則①を一般式で書くと、
$a^p×a^q=a^{(p+q)}$具体例
$3^4×3^5=(3×3×3×3)×(3×3×3×3×3)$3をくりかえしかけ算する回数は4+5=9回です。
したがって
となります。
指数法則②
かっこの指数は指数をかけ算します。
指数法則②は、一般式であらわすと
\((a^p)^q=a^{(p×q)}\)です。具体例
$(5^3)^4=(5^3)×(5^3)×(5^3)×(5^3) \\\hspace{20pt}=(5×5×5)×(5×5×5)×(5×5×5)×(5×5×5)$5をくりかえしかけ算する回数は、3×4=12回です。
したがって、
$(5^3)^4=5^{3×4}=5^{12}$となります。
指数法則③
かっこの指数は数ごとに指数をかけ算します。
指数法則③を一般式で書くと
\((a^p×b^q)^r=a^{(p×q)}×b^{(p×q)}\)です。具体例
\((3×7^9)^4\)について考えます
$(3×7^9)^4=(3×7^9)×(3×7^9)×(3×7^9)×(3×7^9) \\\hspace{38pt}=(3×3×3×3)×(7^9×7^9×7^9×7^9)$3をくりかえしかけ算する回数は、\(1×4=4\)回です。
7をくりかえしかけ算する回数は、\(9×4=36\)回です。
したがって、
$(3×7^9)^4=3^{(1×4)}×7^{(9×4)}=3^4×7^{36}$対数法則①
ここからは対数の法則をみていきます。まずはかけ算をたし算に変換する例を見ていきます。
対数法則①を一般式で書くと、
\(log_{a}(MN)=log_{a}M+log_{a}N\)です。具体例
まず100,000について考えます。
100,000は\(10^5\)です。また、\(100,000=100×1000\)です。
$log_{10}100,000=log_{10}10^5=5$ $log_{10}100,000=log_{10}(100×1,000)=5 \tag{1}$ 一方、\(log_{10}100=2\)、\(log_{10}1000=3\)です。 $log_{10}100+log_{10}1000=5 \tag{2}$したがって、(1)と(2)より
$log_{10}(100\times1,000)=log_{10}100+log_{10}1000$これはかけ算の対数を対数の足し算に変換できることを意味します。一般式であらわせば、\(log_{a}(MN)=log_{a}M+log_{a}N\)です。
対数法則②
割り算をひき算に変換する例を見ていきます。
対数法則②を一般式で書くと、
\(log_{a}(M \div N)=log_{a}M-log_{a}N\)です。具体例
まず1,000について考えます。
1,000は\(10^3\)です。また、\(1,000=100,000÷100\)です。
$log_{10}1,000=log_{10}10^3=3$ $log_{10}1,000=log_{10}(100,000\div100)=3 \tag{1}$ 一方、\(log_{10}100,000=5\)、\(log_{10}100=2\)です。 $log_{10}100,000-log_{10}100=3\tag{2}$したがって、(1)と(2)より
$log_{10}(100,000\div100)=log_{10}100,000-log_{10}100$これは割り算の対数を対数のひき算に変換できることを意味します。一般式であらわせば、\(log_{a}(M÷N)=log_{a}M-log_{a}N\)です。
対数法則③
累乗を簡単なかけ算に変換する例を見ていきます。
対数法則③は一般式で書くと、
\(log_{a}M^k=k\times{log_{a}M}\)です。具体例
まず、\(100\)と\(100^2\)について考えます。\(100\)は\(10^2\)、\(100^2\)は\(10^4\)なので、以下が成り立ちます。
$log_{10}100=2$ $log_{10}(100)^2=4$ 一方、\(2\times(log_{10}100)=4\)です。 つまり、\(log_{10}100^2=2 \times 2となります。したがって、
\(log_{10}100^2=2 \times (log_{10}100)\)
コメント